皆さん聞いてください。
僕とタバコの歴史はこんなに大変なことになってました。

日本で喫煙が認められているのは満20歳以上。
もちろん僕も20歳の誕生日と同時にタバコを吸い始めたわけです。

というより高校3年生までは本格的にそして本気でバスケットボールにのめり込んでいたので、タバコを吸う気なんて全く起こりませんでした。

よってタバコを吸い始めたのは部活動引退後です。
(つまり20歳の誕生日ですよ。ええ。)
吸い始めたその日の事は今でもハッキリと思い出せます。

ある日、友人と街中を歩いていました。
すると「なんかタバコ吸いたくない?」と質問してきたのです。

彼がタバコを吸っているのは知ってたんですが、まさか僕と二人きりの時にそんな話をしだすとは…

続けてこんな事まで言いました。
「今ちょうどタバコが切れている。もし買ってきてくれるのなら、君にタバコを差し上げよう。」

アズスーンアズ話を聞き終わると、僕は「好奇心」という若者の特権と共に自販機へ走り始めていました。
Taspoなどなかった時代なので、制服でも容易にタバコが購入できました。
(20歳の誕生日の話です)

僕はその日から喫煙会員になりました。

幼少の頃から愛煙家の父を言葉通りに煙たがり、あれだけ「臭い」だの「煙たい」だの言っていたのに…

中学生の時に父のタバコをくすねた挙句ムセにムセて、二度とこいつと相まみえることはないだろうと思っていたのに…

あのO田君が(マルボロだったと思う)一本くれたその日から、タバコは友達であり、恋人であり、話し相手であり、よき理解者であり、人生に欠かすことのできない存在になってしまったのでした。

ここからニコ中(※ニコチン中毒者の略)になるまでは簡単。

最初のうちは一日1~2本だったタバコの量がみるみるうちに増え、一般的なスモーカーの平均値である1日1箱(自分調べ)に達するまでに時間を要しませんでした。

そして僕が「俺ってニコ中だなー」と強く感じていたのは、タバコの量よりも吸う間隔です。
僕は禁煙するまで8時間以上喫煙間隔を空けたことはなかったのです。

ちなみにその8時間というのは睡眠時間なわけなんですけれども。

今考えると鬼畜の所業としか思えないんですが、寝る前と起きて直ぐは必ずタバコを吸ってました。
睡眠の途中にトイレに立った時もついでに吸ってました。
根っからのニコ中でしたね。

―風邪ひいてる時は吸わなかったんじゃない?
いいえ。
血を吐きそうになるほど咳がでようが、タバコを吸うことを止めませんでした。
それどころか風邪の時にメンソールの良さに気づき、ありがたいと思ったほどです。

―昼間タバコを吸えない用事があったんじゃない?
いいえ。
必ずどこかで隙を見つけてタバコを吸いました。
一日中室内のアルバイトでかつ喫煙所がない場合は、禁煙のトイレでこっそりタバコを吸いました。
(とんでもないマナー違反野郎です)
今考えるとこの執着心を別のことに傾ければ、何かの分野で金字塔を打ち立てられたことでしょう。

僕はタバコにどっぷり依存していました。
でもその依存はドロドロの恋愛のように、悪いとはわかっていても断ち切ることができないというような依存ではありません。

どちらかと言えば空気に対する依存と似ています。
オゾンへの依存。
そばにあるのがあたり前だが、日頃は特に気にしないというものです。

なくてはならないのに、いつでもそばに居てくれて主張をしてこない存在。
まさに理想の彼女のようなタバコとお別れする日が来るなんて、その当時の僕は思いもしませんでした。